株式投資を始めると、どこかで「テンバガー」という言葉に出会うようになると思います。買った株の株価が10倍になることを指します。元々は野球用語でバガー(bagger)は塁打を意味し、一試合で10塁打(テンバガー:例えばホームラン2回と2塁打など)をあげることを言うのですが、それがアメリカのウォール街でスラングとして使われるようになり、買った株が10倍になったことを指すようになったようです。ちなみに最初に使い始めたのは、有名な投資家ピーター・リンチだったとか。野球好きな方だったようですね。
日本の個人投資家のブログなどを見ていると、2倍になった株をダブルバガー、3倍になった株をトリプルバガーと書き込んでいるのを時々見かけます。よく使われているので私もそういう言い方をする時があります。こういう言い方は本家アメリカの野球用語にはないようで、二塁打はtwo-bagger 、三塁打はthree-baggerですし、そもそも株価が2倍3倍になった時にそういう野球用語に例えることも多分ないのではないかと思います。
日本の個人投資家の間で自然派生したスラングなのでしょうね。買った株が10倍になることよりは2倍や3倍になることの方が圧倒的に多いですから、テンバガーより使われる機会が多いと言えます。そして「バガー」という言葉に馴染みがなく意味もわからないのでダブルバガーのことを「ダブルバーガー」と書いている人もちょいちょいいます。
間違いと言えば間違いなのですが、もともとスラングですし、言葉は生きているものなので、多くの人が間違えて使うようになればそちらが本当になってしまうということもあります。国語の辞書などで「元は何々だったが転じて〇○」などと説明されている言葉はそういうことですからね。和製英語で一般化しているものなど山ほどありますしね。なのでまあ、そんなに使っている人に目くじらを立てて間違いだと指摘することもないと私は思っていますが、バーガーは個人投資家の間でも間違いで恥ずかしいと認識している人が多いようなので、気をつけたほうがいいかもしれません。一度自分のブログで誤変換(というか賢いAIさんバガーが間違いだと思ってバーガーに直してくれたんでしょうね)で一箇所だけバーガーになっていたことがあり、ブロ友さんがコメントで教えてくれてあわてて直しました(笑)
さて、そしてこのテンバガー、多くの個人投資家にとっては憧れとも言えますが、私はまだ達成したことがありません。そのままあと1年持っていれば、ほぼテンバガーになっていたのに売ってしまったことはあります。(4369)トリケミカル研究所は2016年に2102円で買っていましたが昨年8930円で売ってしまいました。買った値段から言えば4倍以上ですが、今年になって20170円をつけています。まさかここまであがるとは!
昨年の最大の失敗かもしれません。我慢が足りませんね。「株の儲けは我慢料」というのですが、まさにこのことですね。