投資コラム

稲さんのよもやま話【10】アメリカ発のニュースで、日本の株がどう変わる?

アメリカの大統領選挙も終わり、バイデン新大統領が誕生することになりました。
「よその国のことなのに、どうして日本の株式市場に影響があるの?」
と思うかもしれませんが、アメリカは世界の経済にとても影響の大きい国です。

また日本株の売買は、その6割以上は外国投資家によって行われています。
日本の株式市場は日本人だけのローカルなものではないのです。

ただ「どういう影響があるか」というと、フタを開けてみないとわからないこともあります。
選挙前には、バイデンさんが大統領になったら株価は下がるのではないか、と言われていました。
トランプ大統領は企業や投資家に有利な税制を行っていましたが、
バイデンさんは株の利益の税率を高めるなど、投資家には厳しい政策を取ることが予測されたからです。
しかし実際には、株価は上昇しました。

とにもかくにも警戒していた大統領選挙が無事終わりました。
大統領選挙と同時に行われた上院議員選挙は共和党が制したので、
「すぐに税制は変わらないだろう」と見通されたようです。

さらにファイザー社が新型コロナウィルスに有効なワクチンの開発に成功した、というニュースも飛び込んできて、アメリカの株式市場も大きく上がっていますが、日本の株式市場も日経平均が29年ぶりの高値を更新しました。
わからないものですね。

ワクチンのニュースでもうひとつ面白かったのは、コロナで大打撃を受けていた航空やJR、外食産業などの株価が一夜にして一斉に上がったことです。
逆に、コロナが追い風になっていると上がっていたスーパーや電子書籍の会社などの株が一斉に下がったことです。

そんなにすぐに世の中が元に戻るとは思えないのですが、
「株価は遠い先を見通して敏感に反応するのだなあ」と驚きました。

実際にはワクチンにも実用面ではまだいろいろな問題があるようですし、
すかいらーくが200店閉店、洋服の青山が160店閉店、ANAが冬のボーナスゼロなど
今まで聞いたことがないような大企業の厳しい状況がわかるニュースが毎日のように飛び込んできます。

そしてコロナも第3波が押し寄せてきました。
こんな中で株価が上がるのはちぐはぐなような気がしますが、年末にかけて株式市場はどう動いていくのでしょうか?
日経平均株価の動きに皆さんもぜひ注目してみてください。