投資コラム

稲さんのよもやま話【74】 日本株はお買い得?

昨年アメリカの有名な投資家ウォーレンバフェット氏が日本の5大商社の株を買ったことが話題になりましたが、コロナショック後の日本株は、アメリカ株に比べると割安感があるというのが、海外の投資家の評価のようです。

株価が割安かどうかを測るPERという指標があります。1株当たりの純利益をEPS(Earnings Per Share)と言いますが、PER(Price Earnings Ratio)は株価がEPSの何倍まで買われているか、つまり1株当たり純利益の何倍の株価になっているのかを知るための指標です。現在の株価が割高か割安かを判断する目安になります。PERの数値は、低いほうが株価は割安ということになります。1株当たり純利益は通常当期の予想数値を用います。

たとえば1株当たり300円稼いでいる会社の株価が今3000円だとするとPERは10倍ということになります。PERがどれぐらいなら割高なのか、割安なのかは業種によっても違いはありますが、安定した大企業では10~30倍ぐらいのところが多いが現状です。一方新興株市場にはPERが100倍を超える銘柄もたくさんあります。今後1株当たりの利益が10倍にも100倍にもなると期待されているからです。

このPERは個別の企業の指標としてだけでなく株式市場の株全体の指標として使われることもあります。そして現状アメリカ株のPERは約39倍であるのに対して、日本株は約14倍程度なのです。このことから海外投資家には日本株が割安に感じられるということのようです。

日本人は元々株式投資をする人が少ないので海外投資家の比率が高くなりがちだと思いますが、数少ない日本人個人投資家の間でも、最近はネット証券でアメリカ株が手軽に買えるようになったことや、日本株より安定成長傾向のあるアメリカ株を好んで買うことが流行っているような風潮もあるので、なんとも皮肉なことだなという気がします。