はじめて株を買う時はどの株が良いか判断するのは難しいものですが、それなりに調べていくつかの株を買えば、よい銘柄も買えている確率は高いと思います。長期投資家にとってよい銘柄というのは長期に持ち続けていると2倍や3倍にもなるような銘柄です。一方で見込みが違っていて上がると思ったのに下げ続けてしまう銘柄もあるでしょう。ベテラン投資家でも買った株が思ったようには動かなかったり、買った後で悪いニュースが飛び込んで来たりして下がってしまうのは珍しいことではありません。
問題はここからどう行動するのか。初心者にありがちなのは、買った株をいつまで持ち続けるというビジョンも特になく、短期で1割ほど上がった株を売って利益を得て、そのお金で含み損が出ている持株をナンピン買いするという売買です。株がどう動くのかはわかりませんので、たまたま売った株はその後反転して下がり続け、ナンピン買いした株はその後反転して上がり続けるということもあるかもしれませんが、上がって売った株は長期に上がり続けるよい株で、ナンピン買いした株は長期に下がり続ける悪い株だということも多いものです。
売ってしまった株はその1年後に株価が倍になって、ナンピン買いした株は半分になってしまうとどうなるでしょうか?例えば投資金額200万円でスタートして、どちらの株も最初は100万円で買って、一か月後にAは110万円に、Bは90万円になったとしましょう。税金は無視して考えるとしてAを110万円で売ってBを90万円でもう1単元買い足したとしたらBが180万円分と現金が20万円です。しかし1年後にBが50万円になってしまったら2単元で100万円、現金と足して120万円。200万円は120万円に減ってしまいました。
では逆にBを90万円で損切りして売却。100万円は90万円になってしまい、そのお金では110万円になったAの株は単元未満でしか買えませんがA80株を88万円で買ったとしましょう。
Aが1年後に倍に上がり1単元200万円になったとしたら、買い足した単元未満株も160万円になり手元のお金は362万円に増えるというわけです。
もしそんなに思い切ったことができなくて、どちらもほっておいたとしてもAが倍の200万円になってくれるならばBが半分の50万円になっても合計は250万円になって元のお金よりは増えています。
どうでしょう?これこそまさに「下手なナンピン、スカンピン」ですね。実際には上がり続ける株と下がり続ける株がそんなに簡単にわかったら苦労はないのですが、長期で持っているとなんとなくわかってくるものです。とりあえず株式投資に長く時間がかけられる人は、一度買ったら数年は売らないつもりで持ち続けるほうが、うまくいく確率は高くなるように思います。