商船三井、日本郵船など海運関係の銘柄がにぎわっています。7月の終りに大幅な増配を発表して、中間配当の権利が取れる9月の終りまでの2か月間で株価が倍近くまで高騰したのです。以前から株を保有していて高騰して売った人はおめでとう!で話は終わるのですが、むしろ、その後が大騒ぎになっています。
中間配当の権利が取れる9月28日を過ぎると当然株価は下がります。1万円以上あった株価が大きく下がり、そこで買った人がたくさんいるのです。買って持ち続ければ次の3月には高い配当金の権利が取れますし11月に予定されている次の期の決算発表でさらによい業績や増配のお知らせがあれば、また株価が1万円以上になるかもしれないという期待が大きかったのです。ところが株価はさらにどんどん下がり続け2週間ほどで7000円付近まで下がりました。株は原則100株単位で買いますから9000円ぐらいで安くなったと思って買った人は2週間で90万円が70万円になり20万円の含み損になったということです。信用取引でレバレッジをかけている人はさらに大きな含み損を抱えることになり、追証と言って追加の保証金を証券会社から要求される場合もあります。ここまで急に下がると人は「まだ下がるのでは?」という恐怖に駆られるものです。それで投げ売りする人がたくさん出てくれば株価はさらに下がるかもしれません。海運関係の株を買うことをブロガーさんたちは「乗船した」などと言っていますが「難破した」「沈没した」など悲壮感を漂わせた書き込みをしている投資家ならぬ「凍死家」たちが続出しています。
大勢の人が注目して話題になっている株は、上がる時も下がる時も極端な動きになりがちです。その大きな動きを利用して短期で上手に売り抜ける投資家もいますが、初心者は「危うきには近寄らず」が無難ではないでしょうか。