投資コラム

稲さんのよもやま話【55】 ライフエンディング市場に注目

先日テレビを見ていたらコンビニエンスストアの跡地を利用して小規模な葬儀場に改修している企業が紹介されていました。もともと少人数の家族葬が増えているところに最近はコロナの影響でますますその傾向が強くなっているそうです。コンビニエンスストアはサイズ的にちょうどよく、店内に段差がないので参列に年配者が多くなりがちな葬儀場としては使い勝手がいいそうです。

東証一部に上場している(2485)ティアという会社が運営している葬儀場でした。

株式投資の初心者が買う株の業種として葬儀会社はなかなか思い浮かばないかもしれませんが、投資という観点から見れば、ライフエンディング市場は拡大市場です。特に団塊の世代と呼ばれる1947年~1949年(第一次ベビーブーム)に生まれた人たちが高齢化するにつれその需要は高まり、2040年頃にピークを迎えると言われています。

葬儀会社だけではなく(6184)鎌倉新書のように葬儀やお墓の情報提供をするポータルサイトを運営している会社もあります。今は親元を離れて都会に核家族で暮らしたまま老後を迎えている人が増えています。いざ葬儀が必要になった時、檀家になっているお寺が近所にあるわけでもなく、何をどうすればよいかわからない、という人も多いと思います。そんな時まずネットで調べるというのが今のやり方かもしれません。

エンディングノートを書いて自分自身の死に備えるなど終活する人も増えています。葬儀のスタイルも多様化しています。深掘ってみればなかなか面白く、新しいビジネスモデルも誕生しているライフエンディング市場。中高生のみなさんには縁遠い世界だと思いますが、親が90代、自分たち夫婦も老後に差し掛かっている私には身近な?マーケットなので注目しています。