投資コラム

稲さんのよもやま話【53】 海運業が大暴騰

今週は次々と企業の第一四半期(12月決算企業は第二四半期)の決算発表が続いていますが上方修正と大幅な増配を発表した海運業が盛り上がっています。

(9104)商船三井が7月30日に過去最高益と配当金を150円から550円へと引き上げる大幅な増配を発表しました。商船三井はそれなりに株価の高い株で、100株買うには値上がりした今では68万円ほどの資金が必要ですが、それでも従来15000円だった配当金が55000円もらえるというのですから、利回りは8%以上になり、かなりの高利回りです。増配発表前には株価は5000円以下だったので、その時から持っている人は10%以上の高配当が得られるということですね。この状況を受けて、同じ海運業で8月に決算発表予定の(9101)日本郵船と(9107)川崎汽船も連想買いされて上昇しました。

そして日本郵船は昨日8月4日に商船三井同様配当金を200円から700円へと大幅増配して株価も急騰しました。日本郵船も7月の後半には株価が5500円ぐらいでしたから、その時から持っていれば利回り12%、株価が7000円以上に上がった今でも10%近い利回りになります。

今から買っても高配当株ではありますが、一方で海運業は景気敏感株(景気の動向によって業績が大きく変化し価格が激しく変動する株)の代表でもあります。長期で見れば今後また業績が悪化して配当金も減配になる可能性もないとは言えません。日本郵船の過去の長期間のチャートを見ると、12000円以上に上がっている時もあれば、1000円ぐらいまで下がっている時もあるという、とても値動きの激しい株だということがわかります。

私もマネックスのワン株という単元未満株の制度を利用し、5620円で買った日本郵船株を10株だけ持っているのですが、このまま保有し続けて高額な配当金をいただくか、お祭り騒ぎで株価が上がり切ったところで(それが見極められれば苦労はしませんが)売却して売却益をいただくか、悩ましいところです。