投資コラム

稲さんのよもやま話【52】 なぜ好決算でも株価が上らない?

3月決算企業の第一四半期、12月決算企業の第二四半期の決算が続々と発表されています。コロナで落ち込んだ昨年の第一四半期に比べると業績を回復させた企業も多く、翌営業日の株価は注目されています。
とはいえ、好決算が発表されても株価は素直に上がらないのが株の難しいところ。好決算が発表された翌営業日に大きく下がるという場合もめずらしくありません。なぜでしょうか?たとえば月次報告などである程度好決算がわかっていた銘柄は、決算発表前にすでに上がってしまっているので、決算発表時に増配とか、株式分割などのプラスアルファのサプライズがなければ、期待外れだったと下がってしまうということもあります。

それと株は常に先を見ていますから、今回発表された過去の結果より、同時に会社から発表された今後の見通しのほうがより重視されるということもあります。いずれにせよ、決算発表がよかったからとウキウキしていたら、次の日株価が下がってびっくりしたり、がっかりしたり、ということは株を始めて日の浅い投資家にはありがちなことです。

それでも業績がよくて、それが今後も続きそうな会社なら、あわてて焦って売らずに、今後の見通しをよく調べなおしてみましょう。長期投資しているなら、そして自分が買った理由が崩れていなければ、年に4回もある決算発表ごとの値動きに右往左往せずに、数年先を見据えて、どっしり構えていることも必要です。