投資コラム

稲さんのよもやま話【45】 7月8月は第一四半期の 決算報告に注目

7月に入って2021年度の4~6月期の決算を発表する企業が増えてきました。上場企業は年に4回3か月ごとの決算を公表することになっているのですが、3月が本決算の企業は4~6月の第一四半期の決算を7月から8月にかけて発表します。新興企業は海外に合わせて12月本決算の会社も増えてきていますが、そういう企業にとっては4~6月期は第二四半期の決算発表ということになります。

いずれにせよ投資家の関心が一番集まるのは前年の同じ時期に比べてどうだったかという点ですが、2020年の4~6月はコロナで世の中が激変してしまった時期ですから、今年の4~6月期は特別です。昨年コロナで大打撃を受けた企業がどれぐらい回復したのか、あるいは回復できていないのか、逆にコロナ特需があった企業は今年も昨年並みの売り上げを上げることができているのか、などが注目されるでしょう。

昨年大きく売り上げを落とした企業であれば、一昨年に遡った比較も必要です。昨年に比べて30%も売上が上がっていると思っても、そもそも昨年が一昨年に比べて半分以下に落ち込んでいた可能性もあります。コロナ前の状態まで戻れたのかどうかということは重要です。

ワクチン接種がようやく進みつつありますが、東京は4度目の緊急事態宣言が出ることが今日決まりました。世の中が元通りにはなっていないのですから、外食産業や旅行業など厳しい状況がまだまだ続く業種も少なくはありません。それでも海外の状況を見ると、町ゆく人はマスクを外し、元の賑わいが戻ってきている国もあります。売り上げは少ないなりにも企業が計画したとおりに進捗しているのか、もう少しコロナの影響が長引いても持ちこたえるだけの体力はあるのか、いろいろなことを考えながら、投資家は決算発表をチェックします。

決算発表の数字を見て内容を自分で吟味するのは初心者の個人投資家には難しいと思いますが、発表内容の良し悪しを簡単に矢印で示して決算速報を発表してくれるサイトや、決算書の見方を解説してくれるYouTube動画なども今はあります。すでに株を買っていたら、まずは自分が株を持っている会社の決算発表で少しずつ決算報告書の見方にも慣れていきたいですね。