みなさんと同じ年代で生涯個別株投資をしないという人はたくさんいると思います。それでも投資信託の積立をする若い人は私たちが若い頃より増えています。
一生懸命働けば、投資をしなくても生活していくことはできるでしょう。でも金融庁が老後に備えて2000万円資産を貯えておいたほうがいいと言っているのです。結婚して子どももいる給与生活者なら40代50代には毎日の生活や子どもの教育費、住宅ローンなどにかかるお金で働いたお金のほとんどが消えてしまいます。そんな中で投資をせずに2000万円の資産を形成するのは、かなり大変です。50代の後半になって子どもが社会人になり少し生活費に余裕ができたかと思ったら役職定年で給与減額、60歳や65歳にになってまとまった退職金が入り、そこで初めて焦ってそのお金を増やそうと投資初心者なのに投資に手を付け、そのお金を増やすどころか減らしてしまう。そんなことがめずらしくありません。
だからこそ、若いうちから投資に馴染み、時間を味方につけて、複利の恩恵も受けながら、資産を形成していくことが大事です。若いうちに資産を数億にしたいとか、企業分析や個別株投資が面白そうで、投資信託の積立だけだとつまらない、という人は個別株投資をすればよいと思いますが、そうではない人、老後それなりに余裕があればそれでいいという人は無理に個別株投資をする必要はないと私は思います。
儲けてやろうと思って個別株投資をしても投資信託の積立以上の成績を残せていない人なんて世の中にいっぱいいます。それどころか元本を減らしている人も少なくないのです。
それが株式投資のイメージを悪くしている原因でもありますが、少なくとも投資信託の積立だけはやっておいた方がいいと思います。もちろん投資信託の積立と個別株投資両方をやるという方法もあります。私もそうしていますし、そういう人は多いです。
長期にわたって配当金を再投資しながら積立を続けていると複利効果でお金が雪だるま式に膨らんでいくということもありますが、一定額の積立はドルコスト平均の恩恵を受けることもできます。
ドルコスト平均法というのは、価格が変動する金融商品を常に同じ金額で定期的に買い続ける手法です。自動的に価格が低いときの購入量は多くなり、価格が高いときの購入量は少なくなります。自分で株価やチャートを毎日見て、今が買い時なのかどうか考えなくても勝手に調整してくれるのです。買い時を調べたり考えたりしている時間、他のことをやっていればいいのです。
私の娘は特に投資に興味はなさそうだったのですが、就職する時に投資信託の積立だけはするように強く勧めたところ、よくわかっていないと思いますが、それだけは始めました。60歳になった時に残高を見て、その頃には天国にいるかもしれない私に感謝してくれるでしょうか?