投資コラム

稲さんのよもやま話【48】 とにかく小さく始めてみよう

株式投資に興味を持ってはいるけれど「いつ始めるのがいいだろう?」「何を買えばいいだろう?」となかなか踏み出せない人も多いですね。慎重な性格の人ほど「もうちょっと勉強してから」「もっといいタイミングを見計らってから」と、なかなか最初の一歩が踏み出せないかもしれません。

でも実際にやってみるのが一番勉強になります。ですから何はともあれ、まず明日にでも何か買ってみてはいかがでしょうか。なかなか思いきれないという人は、少額で買える株にしてみるという方法もあります。たとえば株を始めるための資金が10万円あるなら、その中から3万円とか4万円で買える株を買ってみるのはどうでしょう?安い株価の株ならば、大きく下がっても、絶対値としての含み損の金額が数千円程度だったりするので、初心者のメンタルには優しいです。

そしてそれが株主優待を出してくれている株なら、株主優待をもらうために持ち続ける楽しみもできます。最近は半年より1年、1年より2年など長期保有すると株主優待のランクがあがるという仕組みにするところが増えています。信用取引を利用して株主優待だけちゃっかりかすめ取っていく瞬間株主を嫌う企業が、対抗策として考えているのだと思います。長期投資家にとっては長期で持ち続けるモチベーションを高めてくれるのでありがたいことです。

たとえば、(8165)千趣会は374円(2021.7.16終値)で100株ですから4万円以下で買えますが、12月末日・6月末日に保有していると年に2回ベルメゾンのカタログで使える1000円分のお買物券がもらえます。さらに12月の権利分は1年以上持っていると500円、2年以上持っていると1000円分、3年以上持っていると1500円分のお買物券が追加されます。

(2157)コシダカホールディングスも6万円以下で買えますが8月末に持っていると「カラオケまねきねこ」などで使える株主優待券2000円分、3年以上持っていると4000円分がもらえます。他にも(9479)インプレスは3万円以下で買えて、電子書籍数冊の株主優待など、5万円以下で株主優待がもらえる銘柄はさがせば結構たくさんあります。

資金に余裕があればひとつだけでなく、そういう低位株を複数買えば、どれかは下がってもどれかは上がるなど値動きも分散してくれる可能性があります。株主優待の権利月を分けておけば、年に何度も株主優待が楽しめます。長年やっていても日経平均が大きく下がった時などに、株主優待品が届くと結構心の慰めになったりもするので(笑)私は株主優待も悪くないと思っています。

買った次の日に株価が大暴落したところで、最大でも数万円以内の損。最悪の事態を想定して「なんだ、最悪のことが起こってもそれだけのことか」と腹をくくれば、たいていはそこまで悪くならないので平常心が保てると思います。そうして少しずつ株に慣れていきましょう。