投資コラム

稲さんのよもやま話【39】 タコ足配当ってなに?

6月は配当金が毎日のように入ってくるという話は先日も書きましたが、今のところ9日以外本当に毎日どこかの会社から配当金が振り込まれてきています。株を保有している会社に感謝です。

さてところでこの配当金、会社によって1株当たりの金額は様々です。年によって増配されたり減配されたりもします。株価に対して何%の配当金がもらえるかという「配当利回り」は株価によって日々変動します。Yahoo!ファイナンスや証券会社のホームページなどから簡単に調べることができます。

当然配当利回りが高いほうが嬉しいのですが、この利回りが良すぎる会社は要注意です。配当金というものはそもそも会社が儲けたお金の一部を出資してくれた株主に還元するというのが本来のあり方ですが、業績が悪くなって儲けがなくなっても配当金を出す場合があります。毎年出していた配当金を減配するとがっかりした投資家が株を売って株価が暴落してしまうのです。それを恐れ、無理をして配当金を出す会社もあるのです。業績が悪くて株価が下がってしまったために、見た目の配当利回りが高くなってしまっているという場合もあります。

無理をして配当金を出している会社は、どこからそのお金を捻出しているかというと、何かの資産を売却したり、積立金を取り崩したりしているとうことです。

これを株式投資の世界では「タコ足配当」という言い方をします。タコは自分の足を自食することがあることが昔から知られています。空腹で栄養を補うためにそうしているわけではないようですが、そのように見える姿から「蛸は身を食う」ということわざがあります。自分の財産を食いつぶしてしまう、という意味で使います。タコが自分の足を自食するときは、極度のストレスがかかっていたり何らかのウィルスに侵されていたりするなど病的な状態のようで、自食した後は元気になるわけではなく、しばらくしたら死んでしまうそうです。

タコ足配当をする企業も企業として病的な状態にあると言えるかもしれません。配当金がたくさんもらえるのは嬉しいものですが、配当利回りに惑わされずに投資する企業の業績はしっかり見極めたいですね。