投資コラム

稲さんのよもやま話【35】 オリンピックと株式市場

今日は6月3日。東京オリンピック開幕まであと50日だそうです。全然そんな雰囲気は漂っていないと思いますが。世の中が今のような状況でなければ、テレビは毎日のようにオリンッピクの特集番組をガンガン流して盛り上げているのでしょうが、かなり控えめ。国民も「本当にやるの?」とまだ半信半疑の人が多いのではないでしょうか?6月20日まで東京は緊急事態宣言が解除されませんし、それが絶対再延長されないという保証もありません。ボランティアも1万人辞退したそうですね。オーストラリアの女子ソフトボールチームがオリンピックの海外選手団として来日したことで、どうやらやるらしい?という実感が少し湧いてきたというところでしょうか。

さて、こんなオリンピックですが、オリンピック開催が株式市場に与える影響はプラスなのでしょうか?マイナスなのでしょうか?一般的にはオリンピックが開催されれば、経済は活性化すると考えられます。それに伴って株式市場にもプラスの影響が起こりやすいでしょう。

しかし今回に限っては、開催することによって海外からの変異ウィルス侵入のリスクが高まり、一旦収まりかけていたコロナ感染がまた拡大し、経済への悪影響が長引くのではないかと懸念する投資家も多いようです。オリンピックの中止が決定したら株価が上るとも言われています。

オリンピックに照準を合わせて並々ならぬ努力を重ねているアスリートのことを思うと、中止というのも切ないのですが、コロナ感染が再度拡大し、長引く営業停止でお店が持ちこたえられなくなる店舗経営者のことを思うとそれもまた苦しい。
結局のところ、開催するのか中止になるのか、開催したらその後の日本のコロナの状況はどうなるのか、それを株式市場はどう判断するのか、過去のオリンピックとは比較のしようのない未知の世界なので、なってみなければわからないのですけれどね。
長期投資家にできることは、どんな逆境でもチャンスを見つけて生き延びていけるアイデアと実行力のあるたくましい企業を見つけて投資し、市場の大きな変化でそんな企業の株が割安になった時には買い増しができるように資金の余力を持って見守っていくことぐらいでしょうか?

ちなみに前回東京でオリンピックが開催されたときは、昭和39年のオリンピック開催まではインフラ整備などの特需で景気が活性化していたものの、それがなくなった翌年には「昭和40年不況」と言われる不況に陥ったようです。