投資コラム

稲さんのよもやま話【33】 コロナで変わる株主総会

日本は3月決算の会社が多いことは以前に書きましたが、3月決算の会社は5月に決算発表した後、通常6月に株主総会を実施します。私のところにも毎日のように株主総会のお知らせが届き始めました。6月はいくつもの会社の株を持っている個人投資家にとってはちょっと忙しい月になります。

さて、では株主総会とは何でしょうか?総会を開くというのは株式会社に限ったことではなく、みなさんの学校のPTAの総会や、マンションに住んでいる人なら管理組合の総会もあります。お父さん、お母さんが出席されたこともあるのではないでしょうか?
ある程度の人数で構成され構成員が会費などを支払っている団体では、年に一度全員が集まって、過去1年どんな活動をして、お金をどんな風に使ったかを報告し、来年こうしようという案があるけれど、それを実施していいだろうか?ということを話し合って決めます。それが総会です。

ただ、実際に全員が集まれるわけではないので、通常あらかじめ報告や議案をまとめたものを全員に配布し、参加できない人からは異論がなければ「当日の結果はまかせる」という委任状をもらいます。当日は委任状と出席者を合わせて会員の過半数など会則で定めた人数を満たせば総会は成立ということになります。

株主総会の場合は当日総会に出席できなくても、いくつかある議案ごとにはがきやインターネットで賛成か反対かの意思表示をすることができます。

株主総会は平日の昼間に実施されることが多く、私の持ち株は東京都以外に本社がある会社もたくさんありますので、私は実は株主総会に行ったことがありません。けれど株関係のブログを見ていると総会の帰りにいただけるお土産を楽しみに行くという人も多いようです。

ところがその状況もコロナで一変しました。

多くの会社が新型コロナ感染拡大を防ぐため来場せずにハガキやインターネットで返信することを推奨し、お土産目当ての来場者を減らす目的もあって、お土産の配布を廃止したのです。

たしかに総会のお土産で有名な会社もありました。そういう会社はお土産だけもらったら、途中でサッサと帰る人も少なからずいたようです。私が10年以上前に持っていた(8136)サンリオはピューロランドで株主総会を実施していました。家族で出席することができ、お子さんはピューロランドで遊ぶことができたようです。小さなお子さんのいる家庭にはうれしい株主総会ですね。

そんな株主総会の楽しみはなくなってしまったのですが、その代わりにハガキやインターネットで返信(議決権行使)した人にはクオカードをくれる企業や、株主総会がインターネットで配信されて自宅で見られるという企業が増えてきました。これは、勤め仕事をしていて平日の昼間の総会に行けなかった人や、本社が遠くて総会に行けなかった人には嬉しい変化です。

今年は昨年以上にインターネットで視聴可能な企業も増えるのではないでしょうか?これから届く株主総会の案内を楽しみに待ちたいと思います。