投資コラム

稲さんのよもやま話【56】 投資家にとっての夏の怖い話は「ジブリの呪い」?

日本株には「金曜ロードショーでスタジオ・ジブリの作品を放映するとその翌週の月曜日の相場は荒れる」という面白いアノマリーがあって「ジブリの呪い」と呼ばれています。

日本の投資家の間ではかなり有名ですが、なんとアメリカの有名な金融の新聞「ウォールストリートジャーナル」でも紹介されたことがあるそうです。

アノマリーというのは理由がわからないけれど起こる現象を指しているので、明確な理由があるわけではないのですが、あえて推測するなら、もともと週末の金曜日や週明けの月曜日は株式市場に変化が起こりやすいものではあります。企業が何か大きなニュースを発表するのは金曜日の市場が閉じたあとということもよくあります。一方ジブリ作品は金曜日に放映される「金曜ロードショー」で放映される日が多いのです。さらに夏休みの時期に放映されることが多いのですが、夏は多くの投資家が夏休みで相場から離れるために「夏枯れ相場」と言われて相場にとってあまりよい時期ではありません。そして8月は企業の決算発表もありますから、結果によって大きく株価を上げる企業や下げる企業が出てきます。そう思えばジブリ作品が放映されなくても市場が荒れそうな気もしますね。

それでも他のアノマリー同様、多くの人がそう思えば、逆にそのムードに相場が引っ張られるということもあり得ます。短期の相場を左右するのは、投資家の気持ちの要素が大きいものです。そう考えると、投資家としては、金曜日にジブリの作品が放映されるときはちょっと気になってしまいますね。

ちなみに金曜ロードショーでは一昨日の金曜日から3週連続ジブリ作品特集だそうです(笑)